【レビュー】ありふれた職業で世界最強(オーバーラップ文庫)

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ありふれた職業で世界最強 1 (オーバーラップ文庫)
著者:白米良
絵師:たかやKi

【導入とあらすじ】

ありふれた1巻--南雲ハジメは、どこにでもいるような一般的な高校生だ。

加えていえば、両親の仕事を手伝いながら仕事を覚え、自らの趣味と実益を兼ねた将来設計を見据えている。賢い反面、ある種冷めた学校生活を送る方に分類される。

ハジメは、学校生活で問題を抱えていた。何故か、校内で指折りの美少女でありクラスメイトの白崎香織に、事あるごとに声をかけられる。

近寄りがたい程に熱狂的なファンを持つ香織と、凡庸な上オタクと噂のハジメが仲良くしている事が、奇異の目で見られ、嫌がらせを受けるのは自然な流れだったかもしれない。

ハジメには、そこまで声をかけられるような覚えはなく、香織にも全く悪意が無い為、いかんともしがたい状況。若くして得た、なけなしの処世術を駆使し、出来るだけイジメがエスカレートしないように、どうにか受け流すという日々だったが・・・。

--とある日の昼休み。十秒で終わる昼食を済ませた所を香織に注意される中、教室中を囲む魔法陣が現れる。避難する間もなく光に包まれ、クラスごと見知らぬ世界に飛ばされてしまう。

謎の召喚を受け、勇者一行として厚遇を受けるハジメ達。上位世界よりやってきた為に、この世界に住む人々よりも高い能力を持つとの説明通り、次々と能力の分析結果が出ていく。

クラスメイトだけでなく、たまたまクラスにいた教師までもが強力な潜在能力を示していく中、何故かハジメだけが現地の一般人と同レベル。しかも、特化した分野である職業は「錬成師」。この世界の住人でも、鍛冶職として大成する者の殆どが持つ、ありふれたものだった。

これを切っ掛けに、これまで何とか均衡を保っていたイジメのタガが外れ、訓練と称してエスカレートしていく・・・。

--王宮での基本的な基礎訓練を終え、実践訓練として訪れた『オルクス大迷宮』。その低層でトラップにかかり、未踏の下層へと飛ばされてしまう勇者一行。

誰もが動揺し平静を失う中、全滅の危機を察し、なけなしの能力を使い駆け回るハジメ。

しかし、嫉妬という悪意は一線を越え、ハジメを狙った魔弾が直撃。危機を脱する直前に底の見えない奈落へと突き落とされてしまう。そして、ハジメは本当の絶望を知り、壊れていく・・・。

--後に、ただ一つの望みの為に行動する化け物と化して奈落を彷徨っていたハジメは、吸血鬼ユエと、運命の出会いを果たし、また大きな転機を迎える事になる。

『俺がユエを、ユエが俺を守る。それで最強だ。全部薙ぎ倒して世界を越えよう』

心根の優しい平和主義の少年は、奈落の底で化け物となり、そしてユエと出会い、生きて元の世界へ帰る為の戦いを始める。

 

PCM

 

【レビュー】

投稿日現在で、3巻まで刊行されており、もうすぐ4巻が発売となります。

作品との出会いは、近くの書店で見かけた事からですね。タイトルから見て、主人公が無双する物語なのが丸わかりなので、即購入とはなりませんでしたが(笑)

基本的に、ジャンルは雑食なんですが、やや苦手なものもあります。何となく先が想像出来てしまいそうな作品は無意識に避けてしまいます。

主人公が元々強い設定の作品は、世界観が最初からある程度決められてしまい、狭く感じるイメージがあって、高揚感が尻すぼみしてしまう傾向があります。※個人的なイメージです。

でも、それは食わず嫌いと一緒で、あくまで先入観。分かったつもりになってるだけですね。好き嫌いの激しいジャンルですが、1巻目を読んで良い意味で裏切ってもらいました。決して、たかやKi先生に負けて購入したワケではありません。

Web小説としても評価されている作品ですが、そちらは敢えて読んでいません。巻末の書き下ろしを合わせて読みたいというのもありますが、細部が補足・修正され、完成されたものを読んだ方が面白い作品じゃないかと感じた為です。

この作品の場合、特にそれが強いんじゃないかと思います。ちょっとした印象の違いで、面白いと感じるか、飽きるかが別れる、取扱いが難しい作品ともいえるんじゃないでしょうか。

作品の魅力は、主人公の心理状態の変化、それによって起きる周囲との関係性がどうなっていくのかという、人間関係の部分が一番だと感じます。そして、たかやKi先生ありがとう。

もちろん、どうやって強くなっていくのか、この世界では物の形を変えるだけの錬成をどう活用するのか、困難を乗り越えていく様は、読んでいて燃える部分でもあります。

しかし、それは導入部分であったり、過程のように思います。主人公は、読み手の想像以上の体験をして、強烈に変わっていきます。変わり過ぎて心配になります(笑)

そして、ユエや、その後の様々な出会いと再会を繰り返す事でどう変化していくのか、というのが魅力だと感じました。

逆に、色物な部分だけに期待して読むと、そこまで惹かれないかもしれません。コミカライズ版が残念に感じたのは、そこが原因だと思ってます。派手さではなく、各キャラの心理描写を丁寧にして欲しかった。文字と絵だと、表現の仕方が難しいのかもしれませんね。※個人的な感想です。

基本的に、ハジメサイドと勇者サイドで並行して展開していくんですが、これが中々に歯がゆい思いをさせて貰えます。

当然、各キャラには、それぞれの感情や思惑があって、時系列に沿って展開していきます。それが交わる所を、ずっと想像させられ続けるので、非常にもどかしい(笑) かと思えば、新キャラ出てくるし(笑)

各巻で、それなりに一段落する所も良い点ですし、早く次が読みたいと思わされる良い作品だと思います。

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