【レビュー】ギルド〈白き盾〉の夜明譚 (MF文庫J)

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ギルド〈白き盾〉の夜明譚<ギルド〈白き盾〉の夜明譚> (MF文庫J)
著者:方波見咲
絵師:白井秀実

【導入とあらすじ】

 

白き盾01--少年レイ・ブラウンは、傭兵となる為に新大陸へと降り立った。

『新大陸』--二百年前に発見され、旧大陸では既に狩り尽された大型の魔獣や未踏の迷宮等、未だ多数の脅威に晒されている秘境だ。

レイは、セシリアル王国の国立陸軍士官学校を中退し、憧れである『本物の騎士』カール・ヴァイスシルトを目標に掲げ、この地へとやってきたのだ。

二百年前、セシリアル王国近衛騎士のカール・ヴァイスシルトは、発見されたばかりの新大陸で暮らす人々の窮状を知り、身分を捨てて傭兵となった。

私財を投げ打ち、民衆の為に魔獣と戦い続け、彼の地に骨を埋めた、伝説の人物である。

カールは、一族に伝わる『魔眼』の力を持ち、右目を覆う眼帯がトレードマークだったことから、『魔眼の騎士』と呼ばれた。

--期待を胸に、港町へ降り立ったレイだったが、検問所の衛士と揉めている最中、大型の魔獣の襲撃を受けてしまう。

混乱に陥る港町。初めて見た大型の魔獣に戦慄するレイ。

その後、派遣された傭兵達により、あっさりと撃退される様子を見たレイは、その圧倒的な強さに震え、決意を新たにするのだった。

そして、荷物を回収する為に戻った検問所で、一人の少女と出会う。

『ちょうど、あなたのような方を探していたんです。よろしければ私のギルドと契約して頂けませんか?』

士官学校に在籍していた事以外、伝手も何もない自分が勧誘されている事を訝しむレイ。

受け取った名刺には、『傭兵ギルド〈白き盾〉ギルドマスター マリールイズ・ヴァイスシルト』と書かれていた。

--彼のカール・ヴァイスシルトが作ったギルド。その末裔だというのだ。

翌日、訪れた傭兵都市ロックフォートで、偶然再会したマリールイズからの猛プッシュと、自身の勉強不足により、すぐには傭兵になれない事が判明し、なし崩し的に『運営職』として加入する事に・・・。

ギルドマスターのマリールイズとレイが担当する『運営職』は、ギルドの経営が仕事だ。

外回りで依頼を獲得、依頼遂行の為に予算を組み、物資を調達し、身体を張る傭兵のサポートをするというもの。

士官学校時代、商家の生まれで平民出のレイは、騎士階級連中に嫌という程やらされてきた兵站管理。

そんな環境を脱し、傭兵となって力を振るう為にやってきた新大陸で待っていたのは、『望まぬ特技』を生かす仕事だった・・・。

そして、徐々に明らかになるギルドの惨状。

義憤と盲進で発生する赤字を、アルバイト代で埋めていくポンコツギルドマスター。

腕は一流だが、装備品の維持費が高く、浪費癖のある我が儘な三人の傭兵達。

--伝説のギルドは、今や経営破綻寸前・・・。

『ご安心ください! 借金してでも、依頼は達成して見せます!』

新人レイ・ブラウンの戦い(運営職)が始まる!

 

【レビュー】

投稿日現在で、二巻まで刊行されており、間もなく第三巻が発売となります。第十一回MF文庫Jライトノベル新人賞最優秀賞受賞作でデビューとの事。

あらすじから、剣と魔法のファンタジーモノなのにギルド経営のお話というのが気になり買ってみました。イラストも作中のイメージに合っていて素晴らしいと思います。

本作のポイントは、やはりファンタ―ジーモノなのに経営側のお話という所でしょう。

これまで、ギルドの経営側にスポットを当てた作品は少ないと思います。

剣と魔法のファンタジーモノなのに妙に生々しい(笑)

かといって、そこまで堅苦しくはなく、気軽に読み進められるところも好印象でした。

作風としては、軽小説と小説の中間くらいでしょうか。

昨今のライトノベルは、心理描写や背景・設定等を細かに「説明」しつつ展開していくものが多いですが、この作品は細かな心理等は読み手に任せている部分が多い感じがします。

最近のラノベに慣れていた私も、始めは少し違和感がありましたが、敢えて細かく描写せず、読み手の想像を膨らませるという、小説本来の楽しみ方を思い出させて貰った気がします。

「このセリフはどういう気持ちで言ったんだろうか」とか、「きっとこうじゃないか」とか、考えながら読むのも面白いものです。

例えば、一巻の最後のやりとりや、二巻の最後のレイくんの心情等、ファンとしてはもうちょっと掘り下げて読みたい部分も勿論ありますが、映画のエンディングのように「ここで終わっちゃうのかよ!」みたいな切なさと、想像を膨らませつつ余韻を楽しむ感じとのジレンマですね(笑)

主人公のレイくんは、本当は力を振るって救う側に立ちたいものの、残念ながら傭兵になる程の力はありません。

本物の傭兵との圧倒的力の差を思い知らされ、劣等感を感じながらも歯を食いしばり、自らの仕事を全うしようと頑張ります。

「理想と現実」というやつですね・・・。

また、自ら望んだものとは違う適性を持ってしまうその姿は、社会人の哀愁が漂っているかのよう(笑)

一方、もう一人の主人公と言えるマリールイズは、高潔で高い理想とは裏腹に非常に不器用です。

人を惹きつける力と、バイタリティ、情熱は他に類を見ない程。

しかし、理想の為に後先考えずに猛進してしまい、赤字をアルバイト代で賄うという無茶な経営が当たり前になっており、これまで存続していた事が逆に驚きな状況(笑)

これまで、一人で心労を抱え込んでいたマリールイズは、レイという苦労人を手に入れ、赤字経営脱却を目指します。

謎の吸引力を持つマリールイズに捕まったレイくんは、様子を見つつ、徐々に才覚を発揮していく!(たぶん)

理想主義と現実主義の二人で、補完し合い良いコンビになりそうなんですが、やはり心配なのがレイくん。

本来望んでいない才能故に、自己評価も低く、理想はやはり強くなる事。

(本人的には)肝心な時に役に立てていないと思い込んでおり、彼の今後が心配です(笑)

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【レビュー】復活したらLv1だったので、生き延びるために英雄少女を口説くことにしました。(MF文庫J)

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復活したらLv1だったので、生き延びるために英雄少女を口説くことにしました。 (MF文庫J)
著者:ひびき遊
絵師:ゆらん

【導入とあらすじ】

復活したら01--魔帝ロキは、3度目の死を迎えようとしていた。

配下である強力な魔獣たちが、魔帝城が崩壊していく。

闇の王である魔帝を滅す事が出来るのは、英雄の中でも白い魔力を持つ英雄王のみである。

魔帝ロキは、為す術もなく胸を貫かれ、敗れた。

--何故なら、3代目英雄王は純白の長い髪を持つ、うら若き乙女だったからだ。

『フ……そなた、は、美しいな……』

そして、魔帝はまた、長い長い再生の時を迎えるのだ。

666年後、新たな魔帝城と共に復活する為に。

永い眠りに就く度に、また一つ望みが叶えられる。

--貴方は、何を望み、何を願うのか。

その望みは--

魔帝ロキは、満足し深い眠りへと落ちていく・・・。

 

--不意に、闇と静寂は、赤い魔力と共に切り裂かれた。

石棺は蓋を割られ、光と共に意識が覚醒する。

目が覚めた魔帝ロキを囲むのは、美しい少女が4人。

早くも望みが叶えられた、と歓喜するロキ。

しかし、彼女らは魔帝を滅ぼすためにやってきた『英雄』の末裔だった。

『英雄』--人の身で、生まれながらにして魔力を持ち、強い力を発揮する存在だ。

その中でも、黒い魔力を持つ魔帝に傷をつけられるのは、白い魔力を持つ英雄王ただ一人。

--の、はずだったのだが・・・。

覚醒した魔帝ロキは、不完全な状態で起こされた事で、体が小さく、少年の姿をしていた。

『い、痛い! 痛いぞ!?』

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【レビュー】Re:ゼロから始める異世界生活(MF文庫J)

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Re:ゼロから始める異世界生活 1<Re:ゼロから始める異世界生活> (MF文庫J)
著者:長月達平
絵師:大塚真一郎

【導入とあらすじ】

リゼロ1巻ある日、少年が何の前触れもなく異世界へ放り出される所から物語が始まる。

些細なきっかけで不登校気味からひきこもりへ片足を突っ込んでいた高校生ナツキ・スバル(17歳)は、ふと気が付くと、人と亜人が共存し、剣と魔法のファンタジー風な世界の都市に放り出される。

程よくファンタジーに馴染みのある現代っ子としては嬉しい展開と思いつつも、文字通り「放り出されてしまっている状況」に、途方に暮れるスバル。何の力も無い高校生と、程よく治安の悪い世界。早速、裏路地でチンピラに絡まれ、抵抗するも殺されかけてしまう。その絶望の中で、とある少女との出会いを果たす。

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