【レビュー】できそこないの魔獣練磨師(富士見ファンタジア文庫)

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できそこないの魔獣錬磨師 (富士見ファンタジア文庫)
著者:見波 タクミ
絵師:狐印

【導入とあらすじ】

生まれながらにして、全ての人間にモンスターの紋章が授けられる。同時に、与えられた紋章によってパートナーであるモンスターの種族が決まり、将来性や価値が運命付けられてしまう世界。

魔獣練磨士育成学園ベギオム 高等部1年レイン・エルハルトが授かったのは、誰もが認める最弱モンスター「スライム」の紋章だった。スライムの紋章を授かった者は、トレーナーの道を諦めるだけでなく、運命を呪い「落紋」という紋章を破棄するものまでいる。

ベギオムには国内最高峰の有望な生徒が集まっており、天使や悪魔、竜等の紋章を持ち、将来を約束された優等生ばかり。そんな中、日々馬鹿正直に相棒のノーマルスライム「ペムペム」とトレーニングに励むレイン。辛酸を舐めながらも、少しずつ力を付け、一つの光明を見つけるまでに至る。しかし、それは非常にリスクを伴い、特殊な条件下でのみ通用するという不完全ものでしかなかった。

黒星か、非公式な金星か、という両極端なレインだったが、周囲の人間がスライムトレーナーに向ける視線は厳しく、決して認められることはない。名誉を望まず、勝利する事のみにひたむきなスライムトレーナーの姿が、一部の親しい者達の在り様を少しずつ変えていく・・・。

 

PCM

 

【レビュー】

投稿日現在、5巻まで刊行されています。

作品との出会いは・・・、書店でたまたま見かけて買いました(笑) 私の場合、結構このパターンは多かったりします。後から知ったんですが、本作で第27回富士見ファンタジア大賞金賞を受賞しデビューとの事。

1巻は特に、迸る勢いで書いてる感が強く、文章がすんなり落ちてくるようになるまで時間がかかった気がします。ただ、そこで評価するには惜しいと思わせる面白さがありました。いったい何様だ(笑)

作品の一番のポイントは、不遇や苦難にめげず貪欲に力を追い求め、強く成長していく王道の『熱い展開』です。普通のスライムが、一体どうやってドラゴンや悪魔と戦うのか・・・。多少のご都合主義もお約束。気付けばペムペムの頼もしさと愛らしさの虜です(笑)

もちろん、学園モノならではの、魅力的なヒロイン達との歯がゆい展開も見所です。主人公には、この世界ならではの強烈なコンプレックスがあり、本人にしか理解出来ないであろう事情で恋愛に関しては諦観している為、当人と周囲のズレが大きく、全く噛み合いません。よくありがちな、思春期男子にあるまじき謎の鈍感系主人公とは少し違う印象で面白いです。読み手としても、レインの諦めを理解出来てしまう所が悔しい。でも、頑張って欲しい(笑)

もう一つ欠かせないポイントが、各巻でしっかりと流れを締めて、気持ちをスッキリさせてくれる事ですね。これは重要。ただし、4・5巻は上下巻構成になっている為、例外でした。

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